株式投資をするにあたり、感情が入った取引をすると、どうしても損失が膨らんでしまう傾向にある。
そんな話を、実際の例も出して前回は紹介してみました。
ちょっと極端な例だよな…と思った方もいるかも知れません。
だけど株式投資をしていると、いつの間にかそうした状況になっている、というようなことは結構あります。
鹿島の株は2019年の12月くらいに1500円付近だったので、そこで5000株を一気に買って、これを書いている今現在まで保有する。
そうすれば前回紹介した例と全く同じ状況になるので、そこまで極端な例ではない、ということもお伝えしておきます。
鹿島の株価は2019年11月になるあたりで1600円を付けています。
なので、そこから少し下がった1500円の時点で、もう一度最高値を目指すと予想すれば買い注文は入れられます。
私もそのくらいの値段で買い注文を入れた時もあって、短いスパンだから少しの利益で運良く逃げることが出来ただけで、今の例とは紙一重です。
つまりこうした厳しい状況は誰にでも起こり得る話で、だからこそ具体的な株価で例を出しているんです。
結果的には売り注文が正解だったとは言え、株価が2000円まで伸びたかも知れないので、その場合は売り注文が大失敗だったという話になります。
もしそうなったとしたら、一気に5000株買ったことが良い判断ということになり、差額500円×5000株=250万円の利益だった訳です。
当時は何が正解かなんて分からないし、後から結果を見てあれこれ言ってもあまり意味がない、ということに。
ただ、ここまで想定の話をしてきた訳ですから、ここではある程度「こうしておけば良かったかも」という正解も書いておこうと思います。
これから株式投資をする方にとって、実際にどんな行動が良くないのかを知っておくのは無駄ではないはず。
ということで、ちょっとしつこいかも知れませんが、この例はもう少しだけ続きます。
損切りの重要性
鹿島の株を1500円で5000株買って、それが1400円まで下がった段階で損切りするのは結構難しい、という話でした。
まだまだ値段が戻るまで耐える! と思った方は、今現在鹿島の株価が1060円なので、差額440円×5000株=220万円の含み損になります。
株式投資は基本的に全て自己責任の世界です。
220万円の含み損になった原因は鹿島の株を5000株買ったこと。
その判断は当然自分が下しているので、その判断から出た結果は全て自分で受け止める必要があります。
もう書いているだけでイヤになってきますが、ここまで含み損が膨らんでくると、もう株価を見るのもキツいはず。
そうなると「もう2ヶ月くらい株価は見ない!(だからその間に株価が上がっていて欲しい…)」と思ったりします。
だけど株価を見ない状態が続くと、さらに株価が下がっていた場合の差額が大きくなる可能性がありますよね。
2ヶ月後に株価を見たら、さらに300円くらい下落しているかも…と思うと2ヶ月株価を見ないなんて出来ないんです。
だって怖いから。
さすがにここまで含み損が膨らんでくると、恐らくそのストレスから日常生活にも影響が出てしまいます。
220万円の損失だから自分の給料何ヶ月分か…とか。
何ヶ月かはただ働きか…とか。
投資の口座と実際に働いて稼いだお金を結びつけて考えるのは危険なんですけど、ここまで損失が膨らむとそう考えたりします。
外食する際にも「株で損しなければもっと良い店に行けたかも」とか考えたりして、全然楽しめない可能性もあります。
これはかなりキツいです。
株を買った段階では、少し株価が上がって10万円くらいの利益が出れば嬉しい、くらいの気持ちであることが多いです。
だけど結果は220万円の含み損で、今後それがさらに増えていくかも知れない、という状況。
これはかなり割に合わないですよね。
10万円くらいの利益を期待していたのに、実際はその20倍以上の損失を出しているというのは。
だから損切りが大事なんです。
自分が期待している利益に対して逆の値動きになった場合、失敗を認めて損失を確定させるのが損切りです。
10万円の利益を期待したけど220万円の含み損だとすると、それは間違いなく失敗だと言えますよね。
その失敗はどこで明確になるのか。
10万円の含み損になった段階で、予想した値動きとは正反対に動いているので、もう失敗と言えるのではないかと私は思います。
だとしたら、もうそこで失敗を認めて損切りをした方が良いんです。
なので今回の例で言えば、20円下がった1480円の段階で損切りの決断をした方が良かった。
ただ、これは値動きが分かっている今だから思うことで、実際は20円下がった後で上がるかも知れないという気持ち強く、損切りは結構難しいです。
損切りすればそこでもう損失は確定するけれど、損切りしなければまだ損失が決まった訳ではなく、もしかしたら上がり始めて利益になるかも知れない。
この心理と感情があるからこそ、理屈で考えると簡単そうに見える損切りは難しいんです。
こうして偉そうに書いている私も、実際に株式投資をしていく中で、どうしても損切りが出来ずに大失敗することがいまだにあります。
自分を戒めるという意味もあるのでこうして結構しつこく書いてます。
損切りが難しいからこそ、機械的に損切りを実行してくれるシステムトレードが存在している。
そう解釈すると、損切りは理屈で考えると簡単そうに見えるのに、実際は結構難しいことなんだと感じられるかも知れません。