株式投資で自分のお金を増やしていく際に、どこまで資金を増やしたいのか、という目標金額を設定しておく。
そうすることで、利益を出した際にそのお金をどうするのか方針も決めやすい、というメリットがあります。
そんな話を前回は紹介しました。
私の場合はまず今の資金250万円を500万円にすることを目指しつつ、なおかつ利益は一定の割合で出金していく方針としています。
こうしたルールは人によって色々あると思うし、株式投資する人が自分で自由に決めることが出来ます。
ルールを自由に設定することが出来る権限があって、そのルールの中で発生した結果に対する責任もある訳です。
権限と責任がセットになっている、というのは会社で働く場合でも同じではないかと思います。
会社に勤めている方なら経験しているかと思いますが、大抵の場合はある程度の権限をそれぞれ与えられた上で仕事を進めていくことになります。
もちろんその権限は立場によって様々で、それによる責任の範囲もその権限によって大小があると思います。
場合によっては、権限があまりないにも関わらず責任だけが大きい、みたいな不公平もあるかも知れませんが…
そうして与えられた権限の中でミスをした場合でも、そこで発生した損害に対してその全ての責任を負うことはないはずです。
もちろん降格や減給などの処分がある可能性はありますけど、損害を出した分だけ給料から引かれることはありません。
そんな制度だとしたら、私も仕事で得ている収入がマイナスになってしまう可能性があって怖すぎます。
だけど実際はそうしたことはなく、ある程度のところから先は会社が責任を取っている、という仕組みになっている訳です。
それに対して株式投資では、自分が判断して取引した結果について、全て自分自身で受け止める必要があります。
株式投資に挑戦した結果、自分の口座残高が増えたり減ったりしていく現実を自分で受け止める、ということです。
だからこそ会社に属する必要もないし、色々言ってくる上司も存在せず、自分自身の判断で色々出来るんですよね。
こうした自由と責任はセットになっていて、それこそが株式投資の良いところではないかと思います。
目標金額の注意点
目標金額について書いておきながら、すぐにそれを否定するようなことをここで書いてしまいますが…
目標金額について気を付けたい点も書いておきます。
目標金額を決めることで、その金額まであとどのくらい利益を積み上げれば良いかが明確になります。
その目標に向けてルールを守った取引を継続していくことが、株式投資をやっていく上で最も重要になってきます。
だけど目標金額=ノルマではありません。
今月はあと5万円利益を出さないとノルマが達成出来ないとか、今月はノルマ達成どころかマイナス収支になってしまいどうしようとか。
そんな感情が入ると株式投資は全然上手くいかないので、まずはその違いをしっかり認識しておくことがとても重要です。
どの企業の株価でも基本的には同じで、取引する側から値動きをコントロールすることなんて出来ません。
取引する側が出来るのは、株価の値動きにあわせて株を買ったり売ったりして、その差額を利益にすることだけ。
そんな中で利益を出すためには、常に売買するのではなく、時には株価の動きを見ながら待つことも必要になってきます。
そこに「今月はあと5万円の利益を出さなくては」という感情が入ると、とにかく取引しないと利益は出ない、という気持ちになって待つことが出来なくなります。
「待てない」という感情が少し入る。
たったそれだけのことなのに、それが原因でもうあっさりと損失を出す方向に進んでしまうんですよね。
また、今月はマイナスだけど何とかプラスに持っていきたい、みたいな感情が入ると、一発逆転的な取引をしたくなるのが人の心理です。
いつもは1000株の購入だけど、今月は一発逆転を狙って5000株購入して、株価があと20円上がれば今月のマイナスを帳消しにすることが出来る。
そんなギャンブル性の高い取引をやり始めるんです。
もちろんそうした取引でも利益を出すことは可能なので、何回かはそれでギリギリノルマを達成出来るかも知れません。
でも株価というのは毎回自分の思惑通りには動かないものなので、その一発逆転を狙った取引でさらにマイナスを増やしてしまう可能性もあります。
そうなると、毎月のノルマを達成しようと思っただけなのに、ギャンブル的な取引によって資金の半分を失うという、かなり割に合わない結果を受け止めることに。
そうなると失った資金を元に戻そうとして、さらに一発大逆転を狙った取引をして、ますます資金を失っていく…
そうやって株式投資から退場していくパターンは結構多いと思います。
これに似たようなことを私は何度も経験しているので、出来るだけ感情が入らない取引をするよう心がけています。
感情というのは心がけるだけで簡単に抑えられる訳ではないので、今でも時々大きな失敗はしていますが、それでも心がけることは重要です。
と言うことで…
目標金額を設定するのは良いけれど、それをノルマにするのは避けた方が良い、というのはこうした理由があるからです。
とにかく、株式投資の場に感情が入ってしまうと、もう自分でも驚くほど利益を出すことが出来なくなります。
これは実際にやってみれば実感することではありますけど、最初から知っておいた方が良いので今回は取り上げてみました。
このあたりの話は、実際の取引を発信している株式投資ブログをいくつか読んでみるとリアルに感じられると思います。
当サイトでも地味な取引の経過などを公開していく予定なので、感情にまかせた失敗トレードを見たい場合は参考になるかも知れません。