株式投資で自分の資金を増やそうと取引をしていくと、、様々な感情に行動を左右されつつ取引することになります。
それは本人が望む望まないにかかわらず、また人によって大小の差はありながら、しかし確実についてくるもの。
残念ながら私の実体験でしか書くことは出来ませんが、色々な状況で感じる感情とその弊害を前回は簡単に整理してみました。
こうした失敗する方向の経験は豊富なので、いざ書こうとするとすらすらと出てくるのが哀しくもありますが…それはさておき。
自分の口座残高が目に見えて減っていく様を見て恐怖を感じたり、逆に利益が増えていく際に焦りを感じたり。
こうした様々な感情が取引に影響を与えてきて、大抵の場合それはあまり良い方向に向かわないことが多いです。
恐怖や不安、焦りなどを感じながら、それでもいつもと変わらない方針で注文を出すのはやはり難しいもの。
これは実際に株式投資をやっていく中で、色々な失敗の体験をしてきた私の正直な感想です。
株式投資の選択肢を左右してしまう、この感情をどうコントロールしていけば良いのか、もしくはコントロールなんて出来ないのか。
これは株式投資で継続して利益を出そうとしている方にとって、永遠のテーマと呼べる内容ではないかと思います。
今回もそのあたりについてもう少し考えてみましょう。
システムトレード
株式投資には様々なやり方がありますが、数多くある手法の中に「システムトレード」と呼ばれる手法があります。
あらかじめ設定したおいた状況になった場合、躊躇ったりせずコンピュータがきちんと注文を出してくれる、という手法です。
もちろん条件設定は自分で決める必要があって、しっかりとした条件設定をしないと利益を出すのは難しいですが…
システムトレードで利益を出している方も多いと思います。
システムトレードが良いのは、いざその条件を満たした際に「でも…」とか色々考えたりせず、決められたルールに従ってきちんと注文を出すこと。
そして想定とは逆の値動きになった際にも、「もしかしたら株価は戻ってくるかも」とか思わないで、ルールに従って損切りをしてくれること。
自動的に損切りされてしまった結果を見て、もしかしたら「もう少し粘っても良かったのに」と思ってしまうこともあるかも知れません。
だけどそれを確実に実行するからこそのシステムトレードです。
そうではなく、やっぱり「まだまだ」と思ってしまい、損切り出来なかったからさらに損失が膨らんでしまう。
これが人の感情が入った取引で、その我慢が大きな損失に繋がる可能性があるので、出来れば避けたいところです。
私は結構たくさんそうした経験をしているのでよく分かります。
毎日の取引でコツコツと自分の口座残高を増やしていって、時々発生するこうした大損失で残高が大きく目減りする。
これを繰り返していると、なかなか資金が増えていかないんですよね。
常に同じルールで機械的に(機械が判断するので当たり前ですが…)取引を継続することが出来る。
そしてそこには恐怖や不安などの感情は入らない。
こうしたシステムトレードのメリットを考えてみると、やはり人間の感情は株式投資をする上であまり役に立たないのかも知れません。
これは結構寂しい結論ではありますけど、ある程度は事実なので仕方がないことでもあります。
損失が膨らむ一例
人の感情が株式投資に絡むと、損失は膨らんでいく方向になってしまいがち。
だからこそ先ほど紹介したような、条件を与えてコンピュータに実行を委ねるシステムトレードという手法が存在するのだと思います。
ここで少しだけ具体的な例を出してみます。
私が主に取引している鹿島の株式投資をすると想定して、例えば鹿島の株を1500円で5000株の買い注文を出したとします。
1500円×5000株=750万円の投資になり、後は値上がりするのを待つ、という状況を想定してみましょう。
でもこれを書いている今現在、鹿島の株価は1060円なので結果的には1500円での買い注文は大失敗だと言えます。
しかしそれは今の株価を見ているからこそ言えることで、1500円から1400円に下がった段階ではまだ分からないんです。
1400円に値下がりした時点で、マイナス100円×5000株=50万円の含み損が出ている状況になりますが…
この段階で冷静に損切りが出来るかというと、少なくとも私はあまり自信がないです。
実際にそうなったら、恐らく含み損が膨らんでいく状況に耐えてしまい、耐えられなくなった段階で思考停止的に損切りをする。
という感じになってしまうような気がします。
そうなると当然損失はほぼ最大になってしまいますが、人の心理や感情を考えていくとこのような結末になる確率が高い。
これが現実。
「もう耐えられない」と感じる損失は人によって違うので、ほぼ最大の損失はそれによって変わってきます。
750万円分の注文を出している方であれば、資金の5分の1くらいが減ってしまった段階で結構キツいんじゃないかと思います。
そうなると150万円くらいが限界か、もうちょっと我慢できるか。
これは資金によって違いますけど、あまり良い話ではないですよね。
こうした仮定の話には実際のところあまり意味はありませんが…
少なくともこうして損失を膨らましていく要因には、上手く損切りが出来ないという原因があることは分かります。
そして上手く損切りが出来ない要因を考えていくと、結局は「恐怖」という感情があるということも。
感情が株式投資の判断を誤らせる、という話は、こうした悲惨な例を見るとしっくりくるのではないかと思います。
簡単そうに見えて結構株式投資は難しいんですよね。